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山親父

「山親父」

渓流釣りを古くから嗜む人であれば、存じ上げるだろうが、これは山で遭う生き物の喩えでもなく、山仕事をする人を指す事でもなく所謂、奇形の渓魚、主にイワナの事を指す。
私は決して山親父とは思っていないが、鈴鹿水系には一見すると、この類に勘違いされてもおかしくないような珍しいイワナが生息している。詳細は割愛するが、その突然変異した一種のイワナが大昔、御在所へ突き上げる谷で稀に見受けられた。
カモシカセンターやロープウェイなど人工の造作物が点在する一帯から流れ出る水質は決して汚れている訳ではないが、清いとは言い切れず、やはり谷芯の水を飲む気にはならない。ひょっとすると、その影響を受けたイワナなのかと考えた事もあったが、彼らは「鈴鹿の精霊」、そんな単純な事由だけではない。

生息域によっては極端に餌の確保が希薄の場所があり、激痩せした泥鰌や鰻のようなイワナを見る事はあるが、明らかな奇形魚、この「山親父」と呼ばれるようなイワナは鈴鹿ではお目に掛かった事はなく、出会うと、不吉な事に遭遇すると言われるイワナだけに出来ればお目に掛かりたくないものである。



投稿:Blue-river | March 29, 2006 09:26 PM

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